▼ 海外の帆船模型のご紹介 ▼
 最近(2018年2月)。海外の帆船模型キットと国産の帆船模型キットの違いを尋ねられることが多いため、この説明を、もっとも目立つ場所に掲示させていただくことといたしました。

 2つの違いをざっくり説明いたしますと、国産キットは、キット製品として非常に優秀で、パーツの精密さとマニュアルの充実度は世界に他に例がないほどです。そのため、お客様は、ストレスなく、プラ模型の感覚で組み立てが可能だと言われます。
 他方、海外のキットは、セミスクラッチといわれるとおり、完璧なキットとフルスクラッチ(完全な自己製作)との間を楽しむ製品で、自分で工夫を凝らしたい職人さんタイプの方に向いています。海外キットの利点としては、比較的に安いこと、また非常に多種類のキットがある点をあげることができると思います。将来自分でフルスクラッチも楽しめるようようになる可能性が高いことなどがあげられます。
(国産派の方が海外キットへ移行するときは、いったんビギナー向けのものから、入る方が無難かと思います。カラーが異なるため、大きなストレスを感じる可能性があります。)


 海外製の帆船模型キットのご紹介に話をもどさせていただきます。
 海外製の帆船模型キットの愛好家は、非常に人口は極めて少ないです。さらに、ここ10年のことを考えても、関東や大阪にあった有名店は閉鎖してしまいました。
 日本に輸入されるようになって、すでに何十年にもなりますが、なかなか普及しない大きな原因は、文化ギャップ、製作の難しさ、製品のアバウトさにあるのではないかと思います。これから始められる方にとって、これらが差し障りになりうると思いますので、もう少し具体的に申し上げたいと思います。

 まず、最も大きいのは帆船に関する情報の少なさではないかと思っております。海外では、帆船の本や帆船の模型製作の本が、かなり発行されています。海外の方は、市販の本を購入したりして、気軽に情報を得ることが容易です。
しかし、日本においては、西洋式帆船を使用していた時代が、きわめて短いため、その知識や情報に触れることが非常に少ないうえ、日本では、帆船の本も帆船模型の製作について書かれた本も極めて少なく、これから始めようとする方にとっては、模型の製作方法を知るだけでも簡単ではありません。


 また、日本では「模型」とか、「キット」と冠すると「ミリ以下の単位で正確に作られたパーツがそろっていて、それらを設計図どおりに組み立ててできる」というプラモデルの延長としてとらえられる傾向にあると思います。ところが、これらの海外製の帆船模型は、木工工作セット、(DIYの延長線上にある商品)といったほうが良いようなもので、意図的かどうかはさておき、「ご自身で製作にチャレンジしてみましょう」というようなものとなっていて、たびたび、ご自身で、ころあいの良い精度を確保しなければなりません。また、しばしば糸や木材が不足していたりすることはよくあることです。
(逆に余る場合も同じくらいあります。糸の不足は、誰でも両端で結ぶために余分に切るとおもうのですが、それが極端に短く計算されているという可能性があります。木の不足は、船首から船尾まで、木を切断せずに張ると不足するキットがあります。海外では、通し貼りをしていないことは珍しいことではないからです。)


 海外製の製品は、多かれ少なかれ、マニュアルどおりにパーツを組み立てれば、完成するというものでなく、製作者自身に、製作や帆船に関する知識、創意工夫を、自然に求めてくるものです。
 本来なら、このようなDIY木工セットのような海外キットの未完成部分は、自分でカスタマイズしたり工夫したりする楽しさに隠れ、クラフトマンシップを追求する楽しさにつながっていくはずなのですが、帆船に関する基礎的な情報の不足という支障によって、つながりにくく、なかなか、そこまで到達しないことが多いのではないかと感じています。

たとえば、工作の点では、基本的には「木」ですからパーツを作ったり改造したりするのは、思っているより、実はずっと簡単です。大きなモノを作っているわけではありませんから、そう力がいるわけでもなく、簡単に削ったり、切ったりすることが可能です。また失敗しても、材料費が、たくさんかかるわけではありませんし、誤って接着しても、木製ボンドは水性ですから、水に濡らしたりすれば、取り外してやりなおしが効きます。
 このような工作は最初は困難でも、楽しみに変わってくるのですが、西洋式帆船自体や帆船模型製作の情報が不足しているため、楽しみになりにくく大きい支障になっているのではないかと思います。

そのため、マニアの方は、洋書に手をだしておられるのですが
、誰もが最初から洋書で、しっかり調べるようなことを要求されるような堅苦しい模型製作かというと、それも少し違うと思います。
 昔の帆船の正確な姿という点に限れば、一定の理解が進むと、実は、わからないということが結構あるのです。推測の域であることが、意外に多いのです。学説が変わったら、作品は、どうなるのでしょうか・・・
(たとえば、日本でいえば、桶狭間の戦いを知らない人はいないと思いますが、桶狭間がどこか?どのように戦かわれたか?、実は未だ学説上の問題です。)
 また、完成した作品をご覧になる方の多くは、たいてい製作に費やしたような情報や知識をもちません。
しょせん、趣味の世界ですから、自己満足の世界です、評価されるべきはクラフトマンシップだと思います。

 ですから 些事にこだわって製作の楽しさを減じるより、帆船や模型の持つ独特の機能美を、自分の工夫で表現することと理解して、製作に励まれるというスタイルで入門し、その後、幾つかキットを組み立てる中で技術と情報を蓄積したり、資料を広く集めたり、展示会に行かれたり、友人と情報交換したりして、じっくり腰をすえて、より精巧なものへ進めていく過程自体を楽しむそんなものであることを望んでおります。


色々書きましたが、かならず不足があるということではありません。パーツは、どのメーカーでも2回チェックしている言っています。また、国産でもパーツ不足がないわけではありません。
 海外メーカーは告知なしに仕様を変更することから、仕様変更に気づかず消費してしまっていたり、欠品が多いという噂から仕様変更を欠品と判断してしまうことも多々見受けられるところです。
 また、
どのメーカーも指摘していますが、時間がかかる模型の場合では、お客様が、意図的に紛失を防止する方法を採用していない限り、作業中になくす可能性が、お客様が思っておられるより、相当に高いそうです。
 厳密に、ことことまかに全ての場合において補償をいたしますと、事業としての継続が困難になるかもしれないので、いつもお客様に状況を説明しご相談させて頂いてるのが実情です。

※金属パーツの部品不足や不良については、補充に日数がかる場合がありますので、できるだけ商品受領時にご確認ください。 確認作業は、どんな部品が使われているかを知り製作のイメージを培う効果もありまして、海外の入門書の中でも、このような作業が、たいてい推奨されています。

(部品数が非常に多いので、紛失しないよう、できるだけケースから出さない等して点検することを推奨しています。また、部品の照合ですが、たしかに、すべてをパーツリストと照合するのが理想的ですが、図面や完成写真から、どの部品がいくつ必要かをわり出し照合し、異常があったときだけパーツリストと照合する現実的な方法もよくおこなわれているようです。また、ベテランの方の中には、パーツを実際に使用するまで、紛失予防のため、ほぼ開封しないという方もおられるとお聞きしています。)




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